第4章『一つの涙と小さな覚悟』

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「【ドルトムント】!!」 フィンは避けて体制を立て直した瞬間槌【ドルトムント】を出し、ガルンの側頭部を打つが、ガルンはまるで効いていない様子でフィンを睨むと、フィンを殴り飛ばした。 「フィン!?……ガッ!!」 アルは吹き飛ばされたフィンの名を呼んだ瞬間、腹部に衝撃を感じ、見るとハルバードで腹を強打されていたが、刃の部分ではなかったため、まだマシだろう。 (アバラが……五本はイった…) アルはあまりの衝撃に意識をそこで手放し、ガルンはハルバードを持ってミーシャとニルに近づく。 「く…来るな!」 ミーシャは自身の武器【守光雷剣】を握り締め、ガンガンする頭を抑えながら気絶してしまったニルを守るように精一杯威嚇するが、ガルンは無情にもハルバードを振り上げる。 (だめ…か……ハイネ…ッ!!) 「彼の物に絶望と大いなる破壊を…『ヘル・バースト』!!」 ミーシャが心の中でハイネの名を呼んで目を閉じた時、少し怒気を含んだような声が響き、凄まじい爆音が響く。 「私の友に傷をつけた罪は重いぞガルン!!」 それは待ち望んでいたが半分来るわけがないと諦めていた人の声。 「【白桜】!!リュー!!」 ハイネは剣を召喚すると同時にリューディアを召喚し、ガルンを睨む。 (ッち!気絶してないんならあまり強い魔術は撃てないな…)
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