第4章『一つの涙と小さな覚悟』

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「リュー、皆の治癒をお願いします」 《了~解!『聖女の炎』》 ハイネの願いをリューディアは快諾すると先ずはラルフを白い炎で包んだ。 《グ…グルルル…》 ガルンは先ほどのハイネの闇の爆発の中級魔術が眼に直撃したせいで眼を押さえて苦しんでいる。 「大丈夫ですか?」 ハイネは未だ眼を押さえているガルンを一瞥するとミーシャに話しかける。 「あ…あぁ…」 「なら眠っていていいですよ…後は私に任せて下さい」 辛うじて返事を返したミーシャにハイネは優しく微笑むと、ミーシャの頭をそっと撫でた。 それだけでミーシャは緊張の糸が切れたのか、そのまま意識を手放した。 「さて、全員眠ったか…『ウィンド』」 ハイネは優しい風で五人の体を浮かせると、ガルンに眼を向ける。 「いい加減死ね屑…『ブラックランス』」 ハイネの手に現れた一本の漆黒の槍は回転しながら飛び、ガルンの心臓部分を貫き、さらに漆黒がガルンを包み込み、跡形もなく消滅させた。
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