第4章『一つの涙と小さな覚悟』

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ハイネの問いに三人はハッとした風に顔を上げるが、また直ぐに下を向いてしまった。 だがハイネは何も言わずに3人の言葉を待つ。 「………悔しい……」 ポツリ…とフィンが洩らす…。 「…俺はどんな魔獣でもそこそこ戦えると過信してた…。仲間が危険になれば俺が守ってやるとも思ってた…でも実際は誰も守れなかった…!!それどころか自分の身すら守れなかった…!!」 「僕だって、魔法には自信があった…でもガルンには全然通用しなかったし、使い魔を呼ぶっていう戦闘の常識すら忘れてた…」 フィンとアルはそれっきり下を向いてしまい、静かに拳を震わせていた。 「…フィンとアル、二人の気持ちはわかりました… ラルフ、貴方は?」 「…今日実感した…俺たちには覚悟が足りなかったんだ…うまく言えないけど…戦う覚悟…?ってやつが足りなかった…任務には不足の事態なんてつきものなのに…」 ラルフは自分の気持ちをぽつぽつと洩らし、ソレを聞いたハイネは無表情を止め、微笑んだ。
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