第4章『一つの涙と小さな覚悟』

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「簡易詠唱は使い勝手がいいですから…それよりも、本題に入ります」 ハイネはガヤルドの世辞を笑って流すと再び真剣な表情に戻し、一枚の紙を取り出す。 「今から約5年前、世界を揺るがす存在が確認された…」 ハイネは紙に魔力を流しながら静かに語り出す。 「しかし、ソレには強力な封印法術がかけられ、ソレが封印されていた遺跡には数多くの魔術トラップが仕掛けられ、誰一人近づくことすらできなかった…」 更にハイネは紙に魔力を流す。紙は徐々に黒い光を放ち始める。 「世界政府とギルドはその遺跡を第一級危険区域、第一級侵入禁止区域に指定、ギルドの総力を上げて結界を施して現在に至る…」 ついに紙は黒い光で見えなくなり、ハイネはそれを確認して魔力を流すのを止める。 「ソレの名は『■■■■■』…この世界の言語ではなく、古代語に無理矢理訳すと……」 「………ッ…!?」 ハイネはガヤルドに黒い光に包まれた紙を差し出し、ガヤルドはそれを見て絶句する。 紙に書かれていた言語は 『THE-DEVIL』 「魔王……」
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