第4章『一つの涙と小さな覚悟』

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「師匠を知って…?」 「ああ。あいつとは飲み仲間でな…よく酔っ払って暴れていた…」 ロイはククッと思い出し笑いをして、ハイネに尋ねる 「今エルヴェは何処に?」 「知りません。2年前に私に"《エルハ》で過ごせ。もうお前に俺は必要ない"といって姿を晦ましましたから」 ロイの問いにハイネも苦笑いで返す。 「そうか…また酒を酌み交わしたかったんだがな…。 おっと、もう少しエルヴェの話を聞きたかったが…俺も行かなければならない。また今度、ウチのギルドに来てくれ。歓迎する。 ガヤルド、頼んだぞ」 ロイは懐かしそうな顔で話していたが、学園にきた理由を思い出したようで慌てて出て行った。 「学園長、私も《黒白》として行って参ります。話しはまた今度…」 「何が起こるか判らん…気をつけよ…」 「はい。心得ていますよ。では…」 ハイネもガヤルドに一礼すると学園長室を出て、風のように姿を消した。 (400万…明らかに人為的な数…ということはやはり…) ハイネは数十秒で学園の門に到着すると、一応辺りに人がいないのを確認してから転移でギルド本部に向かった。
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