第5章『最強の力と闇の脈動』

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「…ハイネ、下にいる人族は約200人。そのうち一際強いのが4人いるわ」 「そうか…ならリューディアは下に降りた後その4人以外の援護を。俺は全力で叩き潰す」 リューディアの言葉にハイネは満足したように返し、瞬時に姿を消した。 ハイネが空中に転移した頃、地上では魔獣の大群に苦戦を強いられていた。 魔獣の大半は《グリズリッド》(熊のような魔獣)のような、Cランクや、Bランクの魔獣で構成されており、Aランクのガルンなど数匹程度いるだけなのだが、400万を超える大群は確実にギルド隊員の体力を削る。 「怪我人は速やかにギルドに帰還しろ!!まだ戦える者は俺に続けェ!!」 そう叫んだのはギルドマスター、ロイ。彼は戦場に転移した瞬間から己の武器である氷と風属性の大剣(ジークフリート)を振るい、十数分たった今も順調に無傷で魔獣を倒し続けている。 「ハァ!」 そして彼はギルド隊員に的確に指示を与えながらも巧みにジークフリートを操り、背後の魔獣を数十匹纏めて斬り払う。 彼の放つ斬撃は風を纏っているため、普段の数倍も切れ味が上がっているため、魔獣は一撃で両断されている。 (チッ!…明らかに数が多すぎる…まだ30万程しか減っていない…) ロイは内心舌打ちしながらも魔獣を次々と斬り伏せ、時には魔術も混ぜながら魔獣を圧倒する。 「…凄まじい数ですね…」 「あァ…だりぃことこの上ない多さだ…」 そう愚痴を溢しながら武器を振るっているのはギルドSSランクに位置する女と男。 「アリサぁ、油断すんなよぉ…」 「わかってますよデニスさん!」 二人は共に長剣を持ち、剣に雷を纏わせながら戦っている。
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