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そしてもう一人、無言で自身の持つ刀を振るっている男がいた。
黒髪を頭の後ろで纏め、漆黒の瞳を持つ彼もSSランクの一人であり、名をナヤトラという。
静かに風を纏わせた刀を振るう彼の周りには既に数千の魔獣の死体が転がっており、その強さが伺える。
「…数が…多すぎる…」
ナヤトラはボソッと愚痴を溢すと背後の魔獣を数匹纏めて切り裂く。
「デニス!アリサ!ナヤトラ!」
三人のもとにロイが現れ、四人は背中を合わせて魔獣を殲滅する。
「マスター、増援はまだ来ないんですか~!?」
「さすがに魔力もきっついぜェ?」
アリサとデニスは叫ぶようにロイに訴え、ナヤトラは視線でロイに問う。
「一応要請はしたが、時間がかかる可能性もある。幸いこの魔獣達はまだ進軍できていない。あまり期待をするな」
ロイは淡々と答え、魔獣を数百吹き飛ばす。
「チッ…キリがねぇな…」
「…凄まじい数ですね…」
デニスが再び愚痴を溢したとき、四人の頭上から声が聞こえ、同時に四人の周りの魔獣が吹き飛ぶ。
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