第5章『最強の力と闇の脈動』

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「誰だ!?」 「魔を祓うは浄化の白炎!『クリムゾンフレアストーム』!」 ロイは魔獣を斬り伏せながら叫ぶが、返答はなく、返ってきたのは最上級魔術の簡易詠唱と、凄まじい爆音と熱気だった。 「な…最上級魔術の簡易詠唱だと!?」 「増援に来ましたよ…ギルドマスター、ロイ=バートン…と、ギルド隊員の皆さん」 驚く四人の目の前に純白のローブを纏うハイネが降り立ち、辛うじて見える口元は僅かに弧を描いている。 「まさか…《黒白の調停者》か!?」 「はい。あ、使い魔も同伴していますがね」 そう言ってハイネが後ろを指差すと同時、数千の魔獣が白い光に包まれて消え去った。 「私も負けてられませんね… 来い…《天地創世(テンチソウセイ)【ハジマリトオワリ】》…」 ハイネの言葉と共にハイネの両手が黒と白の光に包まれ、漆黒と純白の双銃が姿を現した。 そしてハイネは双銃を魔獣の群に向ける。 「黒は破壊…白は浄化の力…混沌となりて滅せよ!『カオスバレッド』!」 ハイネが詠唱を一瞬で終え、双銃の引き金を引いた瞬間、双銃から灰色の弾丸が二発打ち出され、二つの弾丸は銃口から離れた瞬間膨張して光の軌跡を残しながらまるで一本のレーザーのように直線上にいた魔獣を"全て"滅した。 「皆さん。魔獣は まだまだいます。気を抜かずに…」 ハイネは呆気に取られ、口を半開きにしたまま固まっている四人にそう告げると、双銃を双剣に変化させて魔獣の群れに突っ込んでいった。
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