第0章『追憶』

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「いいか坊主、誰かを殺めるっていうことは、その誰かの想いや信念を一生背負うってことだ」 確か虫が煩く鳴くある夏の日だったか…厳しい修行を終えた後、師匠が言った… 「一生…背負う…?」 そうだ…俺はあの時疲れていたから途切れ途切れでしか声が出なかったが、師匠の言葉が無性に気になって聞き返したんだ…。 「あぁ…お前にはまだ早かったな… 今はまだ解らない筈だ。だから今はひたすら強くなれ…強く、強くなったその先に今の疑問の答えはある。 まぁコレも解らんか」 師匠は最後は苦笑いしながら言ったが…あの時は師匠の背が小さく見えた…。 答えは…何処に…
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