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ハイネが神級魔術を行使していた頃、学園では混乱が起こっていた。
「生徒は速やかに闘技場へ非難しろ!!」
アランは《氷海の王者》としての深蒼のローブを揺らしながら叫ぶ。
「《氷海の王者》よ…一体何があったのじゃ?」
そこにガヤルドが転移で現れる。
「…【カケラの欠片】…がこっちに向かって来てやがる。ご丁寧に魔力垂れ流しにしてな…」
アランはイラついた様子でそう返し、教員に指示を飛ばす。
「生徒を避難させ終えたら教員全員で結界を張れ。俺が指示するまで絶対に解くな」
「…はい!」
アランが指示したのはアニエスで、アニエスは指示を聞くとすぐさま他の教員に知らせに走っていった。
「…後5分…」
アランは8割以上の生徒の避難が終了したのを見ながら呟き、空を見上げる。
(ハイネ…間に合えよ…)
そして5分後、生徒全員の収容が完了したホールに結界が張られた時、広大なグラウンドにナニカが降り立った。
「やはりテメェか…」
アランは単身降り立った"灰色の髪の少女"を睨みつけながら言い、少女は髪を揺らしながらクスクスと笑っている。
「ごきげんよう《氷海の王者》…今日はいい天気ですわね…」
灰色の髪の少女は空を見上げながら言い、アランは舌打ちをする。
「チッ…!『氷壁』」
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