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「…いや、今はそれは関係ありませんね…貴女は、一般の生徒を傷つけた。ギルド法により拘束します」
ハイネはアランに目で合図すると両手に魔力を集め、アランはブリューナクを持って少女との距離を詰める。
「ハァッ!」
アランは数メートルあった距離を一瞬で詰めるとブリューナクを突き出す。
「…ッ!…来て《ヴァヌス》!」
刹那、少女の右手に黒い光が収束し、ブリューナクを弾く。
黒い光は徐々に形を変え、少女の身の丈を優に超える大鎌の形を成した。
「チッ…『氷牙五線(ヒョウガゴセン)』!」
アランは一つ舌打ちをした後、ブリューナクに魔力を注ぎ、再び少女に向かって突き出す。
「…なっ…!?」
少女は冷静に受け流そうとヴァヌスを構えたが、突如、ブリューナクの枝分かれしたような五つの穂先が輝き、少女の頭上、背後、左右にブリューナクの形の氷槍が出現したことによって眼を見開く。
「クッ…『ハイ…ーー」
「縛れ『アウゲイアス』!」
それでも少女は魔術を唱えようとするが、漆黒の縄が少女を捕らえたことによって失敗に終わった。
そして少女が気づいた時にはブリューナクと四本の氷槍が全身に突き刺さり、動きが停止した。
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