第5章『最強の力と闇の脈動』

12/15
前へ
/202ページ
次へ
「…いや、今はそれは関係ありませんね…貴女は、一般の生徒を傷つけた。ギルド法により拘束します」 ハイネはアランに目で合図すると両手に魔力を集め、アランはブリューナクを持って少女との距離を詰める。 「ハァッ!」 アランは数メートルあった距離を一瞬で詰めるとブリューナクを突き出す。 「…ッ!…来て《ヴァヌス》!」 刹那、少女の右手に黒い光が収束し、ブリューナクを弾く。 黒い光は徐々に形を変え、少女の身の丈を優に超える大鎌の形を成した。 「チッ…『氷牙五線(ヒョウガゴセン)』!」 アランは一つ舌打ちをした後、ブリューナクに魔力を注ぎ、再び少女に向かって突き出す。 「…なっ…!?」 少女は冷静に受け流そうとヴァヌスを構えたが、突如、ブリューナクの枝分かれしたような五つの穂先が輝き、少女の頭上、背後、左右にブリューナクの形の氷槍が出現したことによって眼を見開く。 「クッ…『ハイ…ーー」 「縛れ『アウゲイアス』!」 それでも少女は魔術を唱えようとするが、漆黒の縄が少女を捕らえたことによって失敗に終わった。 そして少女が気づいた時にはブリューナクと四本の氷槍が全身に突き刺さり、動きが停止した。
/202ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3362人が本棚に入れています
本棚に追加