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「…どうすんだ?」
闘技場に静寂が流れる中、アランが口を開く。
「……行くしかないですね…学園長!此方へ」
「なにかの?」
ハイネは感情を感じさせない声でアランの問いに答えるとガヤルドを呼ぶ。
「私は『■■■■■』…つまり魔王の所に行かなければなりません。だから一週間程休学します」
呟くようにそう言うとハイネは石化してしまった女生徒のもとに歩いていった。
「俺はいるからな」
「それは助かるのぉ…」
アランは自分はどうなんだ、という視線を投げかけてきたガヤルドにそう返すと転移で消えてしまった。
「ジェーン!ジェーン!」
どうやら女生徒のなはジェーンというらしく、数人の知り合いらしい生徒が涙を流しながら呼びかけている。
「…失礼」
ハイネは女生徒の近くに辿り着くと、生徒に離れるように促す。
「ジェーンは助かるんですか!?」
「ええ、必ず」
一人の生徒の必死な問いかけにハイネは優しく答えると石化してしまった女生徒に手を翳す。
「禁じられた魔に犯された者よ、我が呼び声に応えろ…さすればこの世にその御魂を呼び戻さん…
『ブレイクプロフィリッション』!!」
ハイネの右手が漆黒に、左手が純白に輝き、黒い光が女生徒を貫き、白い光が球体になって女生徒の中に入っていった。
「…医務室で寝かせてあげて下さい。数時間もすれば目覚めます」
ハイネはそう言うと転移で消え去った。
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