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転移でハイネが消えると共に女生徒は石化から開放され、倒れこんだ。
「さて、彼が目覚めたならそろそろですね…」
ハイネがそう言いながら現れたのは学園の寮ではなく、白と黒で統一された部屋。
ハイネは部屋に着くとすぐさま純白のローブを脱ぎ捨て、部屋の中央に膝をつく。
部屋の中央は片手が入る程度の円形に窪んでおり、灰色の淡い光を放っている。
「code[sword of the seal kill(封印殺しの剣)]…」
ハイネは円形の窪みに手をついて詠唱をする。
すると灰色の光が一瞬強くなり、その光は短剣の形を象る。
「…些か時期尚早な気がしないこともないが…目覚めてしまったなら仕方がない…待っていろ…『■■■■■』…いや…『古代の英雄』よ…」
ハイネは目の前に浮かんでいる幾重にも鎖が巻きつけられ、鞘に収まったままの短剣を掴むと、再び純白のローブを羽織り、次はギルド本部へと転移していった。
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