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全方位、視界までもが蒼に染まった世界。そこに『彼』はいた。
何故ここにいるのか。『彼』はそれさえ解らずにただそこに在る。
空も地も、音も光も、全てが存在しない空間で蒼だけが唯一確認でき、異彩を放っている。
『彼』は想う。
時間の概念すら在るかわからない空間で。自身の正体、記憶すら無いまま既に疑問を抱くことすらなくただ…
"名も、顔も、声すらも知らぬ我が友よ…"
『彼』は感じる。
確かな脈動と自身の胸の高鳴り、そして開放の時は近いと…。
『彼』は笑む。
確かな確信と共に、まだ見ぬ友に思いを馳せて…。
そして『彼』は悠久の時を越えて再び鼓動を刻む。
『彼』…【古代の英雄】は視た……《ーーーーーー》を…
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