3362人が本棚に入れています
本棚に追加
「許せる訳がないじゃろう!!」
ギルド本部、ギルドマスターの執務室でライアンの怒号が響く。
「お主は儂にわざわざ死地に赴くことを許せと言うのか!?」
ライアンは目の前の人物に向かって悲しげな声でそう言う。
「…死地ではありません。少なくとも私にとっては…ね」
あくまで自分にとっては安全
だと主張する少年、ハイネにライアンは深くため息を溢すと、勢いあまって倒してしまった椅子を起こし、腰掛ける。
「…なら、せめて安全な理由を聞かせてはくれまいか…?」
「…はい。
5年前、遺跡が数多く存在する大陸『ガブリエル』。その
最東端にある遺跡で『■■■■■』…魔王が封印された結晶が発見された…これは知っておられますね?」
「うむ。知っておる。じゃが…」
「なぜ知っているか、という事も含めて説明…いえ、お見せいたします」
ハイネはそう言うと左手に蒼い光を灯らせる。
「彼の物を我が望む記憶の海へ誘(イザナ)え…『記憶ヘノミチビキ』」
ハイネの手を覆う蒼い光は部屋全体に広がり、ライアンの脳にハイネの記憶の断片が流れ込む…。
.
最初のコメントを投稿しよう!