第6章『魔王と英雄と過去』

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「許せる訳がないじゃろう!!」 ギルド本部、ギルドマスターの執務室でライアンの怒号が響く。 「お主は儂にわざわざ死地に赴くことを許せと言うのか!?」 ライアンは目の前の人物に向かって悲しげな声でそう言う。 「…死地ではありません。少なくとも私にとっては…ね」 あくまで自分にとっては安全 だと主張する少年、ハイネにライアンは深くため息を溢すと、勢いあまって倒してしまった椅子を起こし、腰掛ける。 「…なら、せめて安全な理由を聞かせてはくれまいか…?」 「…はい。 5年前、遺跡が数多く存在する大陸『ガブリエル』。その 最東端にある遺跡で『■■■■■』…魔王が封印された結晶が発見された…これは知っておられますね?」 「うむ。知っておる。じゃが…」 「なぜ知っているか、という事も含めて説明…いえ、お見せいたします」 ハイネはそう言うと左手に蒼い光を灯らせる。 「彼の物を我が望む記憶の海へ誘(イザナ)え…『記憶ヘノミチビキ』」 ハイネの手を覆う蒼い光は部屋全体に広がり、ライアンの脳にハイネの記憶の断片が流れ込む…。 .
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