忘れ物

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「札幌では例年より一週間程度早い初雪となりました。」 テレビで初雪のニュースを見ながらコンビニ弁当に箸をつけている。 そんなときケータイがなる。ケータイの画面には高校時代の友達の名前が表示される。 「あっ弘樹?久しぶり!今月の二十九日に高校の同期会があるんだってさ。どうする?」 久しぶりに聞く友達の声はあの頃のまま元気そうだった。 よく話を聞くと卒業して三年目の冬、来年は就職活動で忙しくて集まる事が困難になる。 そういう理由で今回の同期会にいたったらしい。 そういうことなので僕も行くことにしたのだった。 「誰が来るんだろうな?」 友達と早く待ち合わせをして、会場近くの喫茶店で時間を潰していた。 「何かうちのクラスはたくさん来るらしいよ。真奈美も来るんじゃないかな?」 別に関係ないよと言いながらも、関係が噂になった子、そして付き合うことができなかった子を思い浮かべる。 確かに卒業してからの僕は真奈美が忘れられず、きちんと誰かと付き合ってはいなかった。 そんなことを考えながら会場へ向かう。 賑やかな十二月の街の中、街の光は雪に反射して輝いて見える。 会場となる店の前には知り合いがちらほら見えている。 「こんなに集まってくれてありがとう!今日はおもいっきり飲みましょう!乾杯!」 会場内はガヤガヤしながらもそこらかしこに懐かしい笑顔が溢れている。 僕が昔話に華を咲かせていると友達が耳打ちしに来る。 「弘樹、入り口見ろよ。真奈美来てるぞ。」 入り口を見ると記憶の中より綺麗になった真奈美がいた。 「見違えるほど人が成長するには月日が必要ってか・・・。」 そう呟きながら友達との会話に戻る。 酔いをさますため、二次会のカラオケを抜け外で煙草に火を付けながら高校時代を思い起こす。
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