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少しして楓がお風呂から上がり、入れ違いで私がお風呂に入る。
楓とすれ違った時私と同じシャンプーの匂いがして心臓が跳ねた。
私は逃げるようにお風呂場に駆け込んで、体を洗った。熱いお湯に浸かると少し心が落ち着いた。
『ぬるくなってなかった?』
私が髪の毛を拭きながら部屋のドアを開けると…テレビ画面から私に視線を移して楓が聞いてきた。
「ん、大丈夫だった」
私は冷蔵庫から麦茶を出し、コップに注いで楓に渡した。
「酔い覚めた?」
『うん、だいぶ』
私は一気に麦茶を飲み干した。思ってたより喉が渇いてたみたい。
髪を乾かし終わったら、ちょうど眠くなってきた。
布団出した方がいいかな?
楓の方を見るとまだテレビを見ていた。ん~どうしよう…。
「楓?」
『ん~?』
「一緒に寝る?」
―――…ブハッ
楓が麦茶を吹き出した。
『一緒っ……えっ!?!?』
顔を真っ赤にして、右腕で口元を隠す楓。いつもの楓だ。
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