結ばれた夜と嵐の夜

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「ばっくしょぉぉぉいっ!!!」 我ながら可愛くないくしゃみ。 お泊りから1週間後。 なんだか風邪気味の私。 あの日雨に濡れたから…ではなくて、職場で流行ってるから。まだ熱はないし、だるいだけだけど用心しとかなきゃなぁ。 あ、でも楓が看病してくれるから風邪引いてもいいかなぁなんて。 ―――…Lululu ちょうど電話が鳴った。 "もしかして楓かも…?"と期待してディスプレイを見ると見慣れた名前が表示されていた。 「もしもしぃ」 《何、その気が抜けた声は。せっかく遊びに行ってあげようと思ったのに》 電話口からタバコに火をつける音がした。相手は姫。 「えっ!?ホント?ちょうど休みで暇してたの。えっとね…アイス買ってきてっ」 "ハイハイ"と呆れたような声がして電話は切れた。 ベッドから起き上がり、カーテンを開けて背伸びをした。 いい天気。まだまだ暑い9月。
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