238人が本棚に入れています
本棚に追加
「ばっくしょぉぉぉいっ!!!」
我ながら可愛くないくしゃみ。
お泊りから1週間後。
なんだか風邪気味の私。
あの日雨に濡れたから…ではなくて、職場で流行ってるから。まだ熱はないし、だるいだけだけど用心しとかなきゃなぁ。
あ、でも楓が看病してくれるから風邪引いてもいいかなぁなんて。
―――…Lululu
ちょうど電話が鳴った。
"もしかして楓かも…?"と期待してディスプレイを見ると見慣れた名前が表示されていた。
「もしもしぃ」
《何、その気が抜けた声は。せっかく遊びに行ってあげようと思ったのに》
電話口からタバコに火をつける音がした。相手は姫。
「えっ!?ホント?ちょうど休みで暇してたの。えっとね…アイス買ってきてっ」
"ハイハイ"と呆れたような声がして電話は切れた。
ベッドから起き上がり、カーテンを開けて背伸びをした。
いい天気。まだまだ暑い9月。
最初のコメントを投稿しよう!