誕生日パーティー

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楓の顔が近づいてきて、唇が離れるまで五秒くらいだったかな? いや、もっと短かったのかも。 二回目のキスは何の味もしなかった。ただ楓の唇の温かさだけが残った。 『ご、ゴメン……』 はっとしたような顔をして、楓が私から離れ頭を下げた。 …ぬくもりが離れていく。 『……』 「……」 眉毛をこれでもかってくらい下げて、反省してるみたい。 犬が尻尾をまるめて落ち込んでるようなポーズに見えるのは私の気のせい? おろおろして、夜空を見たり地面を見たり何かを必死に話し掛けてる楓を見たら思わず吹き出してしまった。 「アッハハ…!楓ホント犬みたいに見えるんだけど!うろちょろして……あーお腹痛いっ」 私が目尻に涙を浮かべるくらいに笑うと楓も困ったような顔をしてるけど、優しく笑った。
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