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「今日はありがと」
あっという間に家に着き、名残惜しい気持ちを押さえて、車のドアに手をかけた時だった。
ガシッと右腕を掴まれた。
「!!…どうかした?」
私は冷静を装いながら、掴まれた自分の腕を見て楓に視線を移した。
『あ…!いや、何でもない』
楓はそう言うと手を離した。
「何かあるなら言ってよ」
『ん~…何もない、よ?』
何で疑問系?
「男ならハッキリ言いなさいよ」
そう言うと楓は"ん~"と唸りながら、私を見た。
『今度いつが暇?』
楓はいつもより小さい声で聞いてきた。
「暇…って言うか、しあさっては休みだけど?」
『じゃあ……オムライス食べに行っていい?』
オムライス…?
て事はまたうちに…?
『だ、ダメ?』
「じゃあ、私からの誕生日プレゼントはオムライスって事で」
私がそっけなくそう言うと楓は犬みたいに"ワンッ"…じゃなくて、"うんっ"と言った。
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