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『怒った?』
何も話さない私を心配したのか、ちょっと小さめの声で私に聞いてきた。
顔は悪くない。いや、寧ろイケメンの分類だよな。なんてボーッと考えてしまった。
『四葉ちゃん?』
「…別に怒ってないから」
ちょっと強引だけど、楓の幼なじみだし仲良くしなきゃだよね。
私は心配そうにこっちを見ているだいし君に笑いかけた。
『四葉!』
ほんわかな空気を打ち壊すようにちょっと怒ったような顔で楓が近づいてきて、私とだいし君の間に立った。
『だいし』
『わりぃ、わりぃ。四葉ちゃんと話してみたくて!四葉ちゃんいい子だねぇ』
ちょっと意味深な感じの声でだいし君は言った。
あからさまに楓は嫌な顔をした。
『腹減ったからちょっと食いもん買ってくるからまた後で~』
楓の怒りを察したのか…それともただの自己中なのか、だいし君はヒラヒラと手を振って出店がある方へ歩いていった。
嵐みたいな人だな。
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