238人が本棚に入れています
本棚に追加
「…だいし君が楓に毎朝女の子からメール来てるって言ったから、それで…」
聞こえるか聞こえないか、それくらい小さな声で私は言った。
『それで?四葉は信じたんだ?』
悲しそうな弱々しい声が耳に届いた。……胸が締め付けられた。
「だって!だいし君が……」
『さっきからだいし、だいしって……!今日初めて会った奴の事を信じるんだ?俺よりだいしが言った事を信じるんだ?』
「ち、違うよ…っ!」
『違わないじゃん!』
れだけ言うと、楓は近くにあった看板を蹴った。
バンッと大きい音がして、思わず肩が上がった。
楓はそのまま歩いて行った。
私は追い掛けられず、その場に立ち尽くしていた。
最初のコメントを投稿しよう!