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「わ、私……」
言葉にしたい。けど、出来ない。もどかしくて私は俯いた。
「私……だいし君の事は何とも思ってないから」
ようやく絞りだした言葉。
『……嘘』
「嘘じゃないって!」
『俺よりだいしがいいんでしょ』
こちらを向こうとしない楓。
何で分かってくれないの?
今日の花火大会私がどれだけ楽しみしてたか分かる?
お肌の手入れして、洋服買いに行って…。
なのに、なのに………。
私は膝の上の拳に力を入れた。ムカついてきた。
『よ、四葉…?泣いてる?』
俯いたままの私を心配したのか、ちょっと焦ったような声で楓が聞いていた。
「……な……っ、…」
『えっ?』
「泣く訳ねーだろがぁぁぁ!!!!!!!」
私は楓の胸ぐらを掴んだ。
頭にきたっ!違うって何回言えば分かるの!?この分からず屋ーっ!!!
怒りが爆発した。
私は何回も同じ事を聞かれるの大嫌いなんだよっ!!
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