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―――…
『ごめんなさい…』
帰り際に楓が呟いた。結局楓は飲み過ぎて、ふらふらでしかも気持ち悪そう。
「だから、ペース早いって言ったのに」
私が呆れながら言うと楓は小さい声でまた謝ってきた。
「たつる君、楓の家に送ってやってよ」
『え、ヤダ』
ベーコン巻きの事をまだ気にしているのだろうか…。たつる君はちょっと拗ねた感じにそう言った。
「ヤダって…私家知らないし」
『家に泊めてあげたら?』
姫がさらっとそんな事言うから、思わずカバンを落としそうになった。
肝心の楓はと言うと、ひとまずたつる君の車の中で寝ている。
『俺が送って楓の親に怒られたら嫌だもーん』
だもーんって可愛らしいな。
て言うか、ハタチにもなって怒られるもんなの?あ、親が厳しいのかな。
私が何も答えないでいると2人でうちに楓を泊める方向に勝手に持っていっていた。
「ちょっと待って!私、女だよ!?楓は一応男だし…襲われたらどーするの!」
ちょっと怒ったように焦ったように言うと"大丈夫。あんだけ飲んでたら戦闘不能だから"とたつる君が笑って言った。
戦闘不能って……。
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