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『じゃあ、決定ね』
たつる君の言葉を聞いて、姫が痺れを切らしたように言った。
まだ首を縦に振れない私が楓の様子を見に行くと、楓は苦しそうに"ん…"と言ったかと思えばスースー寝息をたて始めた。
何だか可愛くて私はつい楓の頬を触った。お、すべすべだ。
「連れて帰りたい、かも」
自分の口から零れ落ちた言葉にびっくりした。連れて…帰りたい?
『よくぞ言いましたっ。タクシー呼びまーすっ』
いつの間に後ろにいたのか…ニヤニヤしながらたつる君は素早く携帯を取り出し、タクシーを呼んだ。
『…変な気起こさないようにね』
「起こすかいっ」
姫にツッコミをいれ、楓の寝顔をもう1回見た。
ま、まぁ言っちゃったから仕方ない。…仕方ないから連れて帰りますか。
「し、仕方なくだからねっ!?」
私が言うとたつる君が"分かってるって♪仕方なくだもんねー"って言った。
な、なんかバカにされてる!?
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