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タクシーが到着し、私はよろよろしながらたつる君に手伝ってもらい、楓をタクシーに放り込んだ。
『じゃあ、気を付けてねー』
『相手は酔っ払いだからね』
姫とたつる君からそれぞれ別れの言葉を貰い、私の家に向けてタクシーを走らせた。
家に着いたのはいいが、酔っている大の男を運ぶ事はできず…タクシーの運転手さんに手伝ってもらい、やっと楓を家の中に運んだ。
「楓、お水飲む?」
必死でベッドに運んだ(引きずりながら)楓を揺らしながら聞く。
『…ん……飲み、たい』
薄く開いた瞳に私が映った。酔ってるせいかいつもより目が潤んでいて、少し心臓が跳ねた。
「はい。飲める?」
水を入れたコップを楓に差し出す。あ…合コンの時もこんな感じだったな。立場は逆だけど。
私が酔ってて、そしたら楓がくく…口移ししてきたんだっけ…。
『飲めない……』
そうそう、私がそう答えてって……ってえぇっ!?!?
驚いて楓を見るとウルウルした目で私を見ていた。こ、これは誘われてる…?
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