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「寝れねぇ……」
一度目が覚めてしまったからか、眠気が全くと言っていいほどない。
頭の中で羊を数えてみたりしたものの、効果がない。
はぁ、とため息をつくと、兄の顔を見上げてみた。
……男の目で見ても、兄貴はかっこいい。
きっと学校でも物凄くもてているはずだ。
なのに、なぜ俺と体を重ねるのか。
悪い考えしか浮かんでこなくて嫌になる。
兄貴にとって、俺は遊びなんじゃないのか。
ただの、性欲処理のための道具なんじゃないか。
ここでもう一度小さくため息をついた。
兄貴を見ると、規則正しい呼吸で幸せそうに眠っている。
……なんとなく、甘えたくなって、兄貴にすり寄ってみた。
そして、腕を恐る恐る兄貴の背中にまわして抱きしめた。
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