ハジマリノウタ

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ハジマリノウタ

「誰だ、お前は?」 銀髪の少女が問い掛ける。 真っ赤な瞳で睨み付けながら。 触れれば切れそうな少女だった。 誰も近寄る事を許さない、そんな雰囲気を少女は身体中から発していた。 「お前か、最近のボヤ騒ぎの犯人は…」 私の問いに少女は燃えるように赤い瞳を更に鋭くさせた。 まるで、今にも襲ってきそうな気配を感じる。 少女は明らかに苛ついていた。 苛つくから火をつける。 放火魔にはよくありがちな話だ。 炎を見れば落ち着くだの、何かが燃えているのを見れば、ストレス解消になるだの、迷惑千万だ。 こんな少女にこれ以上罪を重ねさせる訳にはいかない。 「お前がまだ火をつけるというのなら私は力ずくでやめさせるぞ」 少女はニヤリと笑った。 まるで『出来るものならやってみろよ』と言わんばかりに。
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