きっかけ。

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あ…。 私、今初めてまともに紫音くんの声聞いたかも。 低いけど、柔らかい声。 優しい声。 「だって!紫音くん、睨むから…」 私は大袈裟に手を降って弁解した。 「ごめん。そんな怖い?オレ」 紫音くんが言った。 …怖い。 怖いですよ。 私は正直、紫音くんに"怖い"という印象しか抱いていなかった。 「え?うーん…えと…」 私はいい言葉が見つからなくて、ただ言葉を繋ぐためにブツブツ言っていた。 「正直だな、オマエ」 紫音くんは傷ついた様子もなく、そう言った。 「ごめ…!」 「なんで?嘘つくよりは、正直なほうがいいじゃん」 そう言ってニッと笑った紫音くんは かっこよかった………。
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