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「…わかりました。」
私はただ頷くことしか許されずにそう答えた。そうすればゾイド様は満足気に微笑み、私の口唇にキスをした。
「さすがは私の祥子。よくわかっているね…」
「…いえ」
いつものこと。
私はそうやって軽く交わすが、『陽子』とやらはとても驚いたようだった。まぁ、そりゃそうよねぇ。お子ちゃまにはまだ刺激が強すぎるわね。
そんなどうでもいいことを考えているとゾイド様は姿を消していった。そしてそこには私と彼女の二人きり。私は脅えた様子の彼女にそっと近寄り、手を差し延べた。
「怖かったでしょう?でももう大丈夫よ。今は私と貴女だけ。」
「ぁ、あの…」
声が震えていた。
きっと何も知らずに此処へきたのね。可哀相に…
「大丈夫よ…怖くないわ。ね?」
私はめいいっぱいの優しい笑みを浮かべ、手をさらに近づける。
そして触れた手と手は…
とても
暖かかった…
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