†悲鎚の旅立ち†

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フリの魔法でみるみるうちにお屋敷の炎は消えていく――。 お屋敷を灼いた炎は 大好きで楽しい思い出すら… 何もかも………… 全て焼き尽くしていた。 紫杏 『フリ……………』 (雨が二人を濡らす…二人の涙を洗うかの様に…) フリ 『紫杏様……旦那様が、何故私を選んだのか…… お話致しますね……………私は………黒執事…… 黒の教団から来た………エクソシスト…です…。』 (紅い涙が頬を伝う) 紫杏 『………黒の教団……?………エクソシスト……? ………そんなの知らないにゃ……… ご主人………は…… もぅ………いにゃいんだもん…………』 消え入るような声で呟き… 下を向いてスカートの裾を掴む。 (紫杏の前に立ち、目線を合わせるフリオニール。 紅い涙が止まらない) フリ 『紫杏様は…悪魔に狙われています。多分……… お屋敷を焼いたのも、悪魔の仕業です。 紫杏様のイノセンス(呪い)が、悪魔達の目的… 此処は危険です…さぁ、行きましょう…。』 (手を差し出すフリオニール) 紫杏 (フリの手を取ろうとするが……首を横に振る) 『……………ダメにゃ…………ご主人っと………ふぇ…くっ…約束………ふっ………した……からっ……』(泣き出す) フリ 『旦那様は…もう……いらっしゃらないんです❗❗ 約束をしたのは、私とて、同じですよ❗❗ ………………………………………。 紫杏様……、聞かせて頂けますか?』 紫杏 『ふっ………くぅ………ご主人…シアンを拾ってくれた時に死んだ娘にそっくりだって………ふぇっ…………何時までも…このお屋敷で……楽しく暮らそうにゃって……約束してくれたにゃん………… …ご主人……居なくなったらっ…シアンまた独りになっちゃうにゃ…………』 (気が付くと…紫杏を抱きしめていた……) フリ 『一人では…有りませんよ…紫杏様……。 私がおります…私が、必ずお守り致します。 旦那様の…変わりには…成れませんが…必ず。』 (雨が上がる……皮肉にも、空には虹が 掛かる)
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