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第二章
「あなたの誕生日はいつ?」
唐突に女の子が聞いてくる。
「え、あ?え~と、あ、今日だ。」
ここ数年、自分の誕生日など気にしたことがなかったのですぐには答えられなかった。
日が変わって今日は俺の24回目の誕生日だ。
「そう。それならあなたの誕生花はこれね。」
女の子は傍にあった小さい白い花を一本だけ差し出す。
白い花びらの真ん中に黄色い花弁がかわいらしい。
「これは何ていう花なんだ?」
「これは“いちりん草”よ。」
花を手に取った瞬間、俺の意識は途絶えた。
『花屋の女の子~第二話』より
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