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私が小学六年生の時に両親がマンションの屋上から飛び降りた。
遺書にあったのは私への詫びと、自殺の原因。多額の借金を背負っていた事を、私はその時初めて知った。
ありきたりな茶封筒に入っていたのは、白い便箋に綴られた震える両親の文字。それを見ただけで言葉以上の、痛く悲しい想いが伝わって来た。
ひどく胸が苦しくなり、両親が飛び降りるまでの恐怖と絶望を感じ取れた。両親においていかれた悲しさ以上に、両親が可哀相で可哀相で、それがたまらなく辛くて。
一日中泣き続けていたが、それでも涙は涸れなかった。
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