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「もしもーし」
『おはようございます、村上先輩! お待ちしてましたですよっ!』
やっぱり藤沢さんがいた。もしかして二人が上手くいった報告の為にわざわざ呼び出されたんだろうか……? そうだとしたら何か腹立つなぁ。
『鍵は開いてるから入って来てくださいとの事です!』
ドアに手をかけると、急に開いて勇樹が顔を出したから驚いた。
「ゴメン! 早く見て欲しくてさ!」
「え? 何を!?」
靴を脱いで揃える間もなく、勇樹は背中を押して部屋に入るように促した。
「オレ、めっちゃ頑張ったんだぜ!」
「村上先輩、どうもです!」
絵の具と独特の匂いがする勇樹の部屋に入ると、藤沢さんが奥で手を振っていた。
藤沢さんの隣には、藤沢さんより大きなキャンバスがイーゼルに乗っていた。白い布がかけられていて、どんな絵かは全く見えない。
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