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「ではでは御開帳といきますか?」
なんだ、なんだ?
「うん! 加奈ちゃんオープン!」
バサッと布が外された。
「……!」
白い服を着た俺と竹内さんが向かい合っている。
これはタキシードとウェディングドレス? カトレアのブーケを持った竹内さんの横顔がリアルだった。
背景は宇宙だろうか。深い紺色の中に小さい無数の星がある。
そして下と横には綺麗なカトレアが丁寧に描かれていた。
「……勇樹が描いたの?」
あまりに予想の範疇を超えていて唖然とした。
「オレの他に誰がいるんだよ! 一日早いけど、オレと加奈ちゃんからのバレンタインプレゼントな」
「あたしはほとんど役に立ってませんが、七海の顔とかアドバイスさせてもらったんですよー」
「二人にこんな未来が訪れますようにって一生懸命描いたんだぜ」
足が震えた。それだけじゃなく全身鳥肌が立った。勇樹のベッドに座り込み、もう一度まじまじと絵を眺める。
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