2534人が本棚に入れています
本棚に追加
ドキっとした。さっきみたいに竹内さんの事を言われたら、袋の中身をばら蒔きそうだ。でも、それは杞憂に終わった。
「私は村上君を応援するよ。ファンクラブの連中にビシッと言ってたの男らしかった!」
「見た見た、あいつらの顔ったらなかったよ」
「私も応援するー。だから、それは千里さんにあげてー」
「あ、私のも!」
「千里さんってあんなに食べるのに何でスタイルいいの?」
里姉、クラスの女子はいい奴ばかりだったよ。
「ありがとう。きっちり里姉に渡すからね」
机の横にかけたバッグはずしりと重かった。
今まで、うわべだけの会話と愛想笑いで生きてました。俺は周りをしっかり見ていなかった、知識ばかりのガキでした。
竹内さんはこんな俺の事もお見通しだったんだろうな。竹内さんに釣り合う男になれるように頑張ります。
心の穴が少し塞がったような気がした。
最初のコメントを投稿しよう!