村上隼人 変

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   授業が終わって猛ダッシュで帰ってきたので帰宅途中は誰にも声をかけられなかった。が、マンション前には人だかりができていた。  最強追っかけ集団、その数およそ三十人。これから逃げずに立ち向かったら、また少し何かが変わるかな。 「あ、村上くん!」 「キャーッ!」 「村上さん、ごきげんよう」  それぞれが可愛くラッピングされた袋や箱を持っている。 「これ食べてくださいっ!」 「頑張って作ったんです」 「高級チョコを取り寄せましたわ」 「マフラーとか迷惑ですか?」  差し出された色とりどりのプレゼント。去年だったら笑顔を張り付けて、食べ物だけは受け取っていた。 「わざわざありがとう。今年は気持ちだけ貰っておくよ」  これで引いてくれれば楽なんだけど、そうはいかないよね……。   「じゃあ、これは何ですか!?」 「チョコ貰ってるじゃん!」 「あたしたちのは受け取れないってどういう訳?」  
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