147人が本棚に入れています
本棚に追加
その日の真夜中。
隣の部屋から音が消えたのを合図に、実成は部屋を出る。
向かう先は、実友の部屋。
毎晩の無断入室。
スヤスヤと寝息をたてる彼の寝顔を見るのが、日課になっていた。
長いまつげ、サラサラの髪。
きめ細かい肌…。
触れたい衝動。
おでこに、頬に…。
フワリ、フワリと羽のような軽いキスを降らす。
「ん……。」
くすぐったそうに、触れた辺りに腕をあげる実友。
それでも実成が動じないのは、一度寝たら朝まで熟睡する、彼の寝つきの良さを知っているから。
本当は、唇に…。
(キス、したいけど…。)
最初のコメントを投稿しよう!