憂鬱な世界は始まる

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ダメ人間もとい、 〝日々葵 響〟 何故彼がホームレスにダメ人間と呼ばれていたか? それは、彼がいつも着ている服装が同じ事にある。 迷彩柄の膝下まである短パンに、薄黄色のダボタボとしたどうでもいい文字がプリントされてある長袖、そして茶色いサンダル。 洗濯はちゃんと毎回してるし、別に面倒臭い訳ではない、と。 彼はただ、そのスタイルがお気に入りらしい。いや、服がお気に入りらしい。 ……それこそが――彼の憂鬱となる。 そして、憂鬱故に響は気付いていた。 ホームレスにしては…… あの余裕ある口調 あの雰囲気 何より、臭くない体臭 服はボロボロにしろ……。 ホームレスじゃない事は明白だった。だが、響は敢えて何も言わなかった。 ……何となく。 そして、 その日々苦渋に―― その日々苦難に―― その日々苦悩に―― この別れは憂鬱なる能力世界の始まりとなる。
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