プロローグ

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暗い、何処とも知れぬ闇の世界。 一切のモノが存在を許されないその世界は、世界の果てのような空虚さを感じさせた。 しかしその暗闇の中、その男は確かに存在した。 その男は静かに座して待つ。 己の終焉の時を。 永遠とも取れる時間が過ぎたかのような無音。 そもそもこの世界に時間という概念すら無いのかも知れない。 唐突――― 闇に包まれ、果てすら見えぬこの世界に、一筋ながらも、眩いばかりの光が差し込んだ。 光は一直線に男を照らし、包み込む。
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