221人が本棚に入れています
本棚に追加
暗い、何処とも知れぬ闇の世界。
一切のモノが存在を許されないその世界は、世界の果てのような空虚さを感じさせた。
しかしその暗闇の中、その男は確かに存在した。
その男は静かに座して待つ。
己の終焉の時を。
永遠とも取れる時間が過ぎたかのような無音。
そもそもこの世界に時間という概念すら無いのかも知れない。
唐突―――
闇に包まれ、果てすら見えぬこの世界に、一筋ながらも、眩いばかりの光が差し込んだ。
光は一直線に男を照らし、包み込む。
最初のコメントを投稿しよう!