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男の意識が覚醒した時、目の前は火の海だった。
何処かの大きな施設のようで、男の居たのはホールのような、大きく開けた場所だった。
壁が燃え崩れ、観葉植物は燃え上がり、時折上の階から崩れ落ちた破片が落ちてきたりと、かなり危険な状況だった。
しかしその状況下に於いても男の纏う余裕は微塵も揺らがなかった。
ザッと周りを見渡して通路の状況と最短のルートを導き出す。
そうしてから歩き出した男の耳に、どこからか子供の泣き言が飛び込んだ。
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