教師×生徒

18/28
221人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ
30分後 「はぁ…ようやく着いた。」 そこは 保健室 「そんなずっと 背よわんでもよかったのに…」 「何言っとんねん。こんな時の先生やねんから。」 そう言って 宇治原は 菅をベッドの上に 座らした。 「足とか怪我ないか~」 「うん……」 今は2時45分 菅は 心ここにあらずで返事した。 「どうしたんや? なんか心配事か?」 宇治原は しゃがみこんで 菅を見た。 「えっあ… 今日の国語は 小テストやったし… ただでさえ 勉強もついていけへんのに…」 菅は 俯いてしまった。 その目は 少し潤んでいる。 俺、なんで いつもこうなんやろ… 運動もできひんし 勉強でさえ 順位が だんだんと 落ちて来てる。 だからせめて 小テストで 内心点上げとかなって 思ってた矢先 この結果… …このまま行ったら卒業… はぁ~ 考えこんでいる 菅を見て 宇治原も 心配になり つい、手を握ってしまった。 「え…」 いきなりのことに 戸惑いながら 菅は 宇治原を見た。 「いや…あ… 小テストの事は 俺がなんとかしたるよ。だから菅はなんも心配しんでええ」 そう言って 宇治原は 笑った。 僕が一目惚れした あの笑顔で…
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!