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入学式
雨は激しくなる一方だ。
せっかく咲いた桜も台無しだ。
木村は1年2組を担当することになった。
2組の名簿を眺めながら木村は2人の男子の名前に目を止める。
2人とも東賀中出身であった。
木村はバドミントン部の強い中学や高校には割と詳しい。
(東賀中といえば……たしか強豪校だったよな……いや、俺には関係ないか。こいつらがバドミントン部とも限らないし、なにより…)
名簿をバタンと閉じ、新入生の待つ教室に向かった。
教室に入ると、まだ中学生の名残を感じさせる新入生が交流を深めていた。
木村も初めて担当を持ち緊張していたが、教壇の上に立っているうちに自然と緊張は消えていった。
自分が教師として生きていける、そんな気がしていた。
最初のホームルームが終わり、教室を出ると、
すぐに2人の生徒が追いかけてくる。
「木村先生!」
「ん?どうした?」
次の言葉に、
だだ木村は驚き、
迷った。
「俺ら、先生にバドおしえてもらいたくてこの高校入りました。よろしくお願いします」
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