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第1話 死霊の館の主
1920年ある館で、一族が集まり緊急に会議をしていた。
『何て事をしてくれたんだ! こんな事をして神様に申し訳ないと思わんのか!』
「うるせえなぁ。ただの遊びだ! 大げさなんだよ。呪い何てある訳ねえよ」
館の主とその息子が言争った。
「まあまあ、お二人とも穏やかに話あって下さいよ」
一族の主な者が口を、挟んだ。他の者は、貝の様に口をつぐんだ。
何故なら館の主の権利は絶大で、一族の者は彼のお陰で成功して財を成したのだ。
『穏やかにしている場合か!一族を、根絶やしにすると呪いの声が聞こえたのだ!』
「親父の勘違いだせ。くだらねえ……俺は眠るぜ。昨日は悪い予感がして眠れなかったんだ…。それに執事の沢村がいるだろう!」
執事の沢村は一族に邪魔な存在を、全て殺してきた。
怨まれて呪われた一族なのだ。
【皆殺しだ!全て食ってやる!】
『何だ今の声は! 沢村見て来るんだ! 犯人は何処かにいる筈だ』
「かしこまりました」
沢村は深々とお辞儀をして歩きだしたその時!!
〔キャー!〕
女性の高い叫び声が聞こえた。他の者は恐怖で声も出なかった。
沢村の背中の肉が、綺麗に削げ落ち背骨丸出しで扉を開けた本人は、自分の体の変化に気が付いていなかった…。それが惨殺劇の始まりだった。
一族は、一番強い沢村がやられて、息子以外全て謎の低く冷たく恐ろしい声の主に食われて死んだ。
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