理央、塀を登る

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深夜、4時 寒空の中、私はオートロックで中に入れないマンションの塀を登ってる。 7センチのヒールを履いて、ブランドのスーツケースを片手に持って。 目的の部屋の前、 『ピンポンピンポンピンポ-ン』 寝てんのかな? 『ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポ-ン』 「葉月-?理央ちゃんのお出ましだよぉ」 外寒いし早く開けてくれないかな 『ガチャ』 静かに開かれたドア 「葉月寒いじゃん、早く開けてよね」 「理央?今何時だと思ってんの?」 「4時だよ、おはよう」 明らかに寝起きの葉月 そりゃこんな時間じゃ寝てて当然か 「…んで?何か用?」 機嫌悪いなぁ 「とにかく、寒いから入れて?」
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