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「そうですね。でも僕一人で、此処で食べます」
「分かりました。では後で食事を持って来させます。それでは」
クウィスは、部屋から出ていった。
僕は白く染め抜かれている机の側の椅子に腰掛け、頬杖をつく。
夕方は何となく物悲しく感じる。
それは今の僕と同じ様な感じなんだろうなあ……
暫くして、食事が部屋に運び込まれた。
フランス料理のフルコースにも似た豪華な食事だ。
彼らは何時もこんな感じの食事を口にしているのだろうか……
僕は、豪華な食事を食べながら、三人のことを、考えていた。
豪華な食事は僕の口には合わないらしく、もったいないとは思いつつ、半分以上残してしまった。
皆……
どうしてるんだろうか……
急に寂しくなり、悲しくなって涙が溢れて来た。
一度溢れた涙は中々止まらない。
僕は溢れるままにし、食事を下げてもらうと、そのまま机に突っ伏して、ささやかな声で泣き始める。
こうなっちゃうと止まらない。
三人の名前を呼びつつ、ささやかに泣き続ける。
夜の静けさが、僕の泣き声を聞き続ける。
ぼんやりと光る半月が、僕を慰め続ける。
僕は机に突っ伏したまま、目を閉じる。
今、頼れるのは疑いを持つ彼らだけ。
彼らに三人を探してもらうしか無いよね……
そして、夜はふけていく……
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