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「次に、男性キャラの中から、神子を選ぶみたい」
「零。お前のキャラな」
僕が少し目を離した隙に、亮が僕からコントローラをひったくり、僕のキャラを勝手に神子にしていた。
すると、僕のキャラの服装が多少変化した。
白いローブの一部に金色の縁取りが入って、より豪華な衣装になり、更に、額に細かい装飾が施されたティアラがつけられていた。
僕は亮からコントローラをひったくり返し、キャンセルしようと思ったけど、出来ないので仕方ない。
僕は無理矢理納得してボタンを押して先に進めた。
「最後にキャラに名前を付けるみたい」
もちろん僕達はそれぞれ自分達が選んだキャラに自分の名前を付けた。
最後に僕が自分のキャラに名前を付け終わった時……
『神子……』
全く知らない変な声がした。
「つっ……」
声が聞こえた瞬間、酷く頭が痛んだ。
コントローラを落とし、頭を押さえる。
痛みはいっこうに治まらない。
それどころか、画面の光の明滅に呼応しているみたいにどんどん酷くなる。
「零!!」
恵が僕に近づく。
そしてその瞬間、テレビから、光が溢れてくる。
僕達四人は、避ける間もなく、あっという間に光に飲み込まれた。
それが、物語の始まりだったんだ……
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