一時の別れ

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急に眩しさが、なくなったと思ったら僕達、急に空の上に出ていた。 見た事も無い青い空。 見た事も無いうっそうと繁る森。 此処はいったい……? 「な、何なんだ! ここは!?」 亮が叫ぶ。 しかし、叫んでも状況は変わらない。 皆、何時の間にか服が変わっている。 あの時、決めた服そのままだ。 「手を放しちゃダメだよ! 皆!!」 命が皆を引き留めるみたいに手を前に突き出す。 「「うん!」」 それに僕と恵は声をもって応えて、手を前に突き出す。 亮は頷きと共に手を前に突き出す。 後少しで届く…… 届いた!! 僕は、ギュッとみんなの手を握りしめた。 でも、突然、物凄い音と共にそれに負けない位の凄い静電気みたいな物が起こった。 「つっ!!!!」 僕の痛みに声が上げ、顔を歪める。 どうやら今の痛みは僕だけの物らしい。 その衝撃に急に手が痛くなって僕は皆の手を離してしまった!! 「わ……わーーーー!!!!」 「「「零!!!」」」 皆がもう片方の手を必死に伸ばして僕の手を掴もうとする。 僕も落ちながらも、必死に手を伸ばす。 三人のうちの誰かの手の先に僕の手の先が一瞬触れ合う。 しかし、触れ合った瞬間、再び静電気が走った。 その痛みに僕は、堪える事が出来ない。 僕は、皆と別れ一人落ちていった…… 皆……!!
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