現実

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  「あ、ホラ。あんたの王子様がお待ちだよ」   怜香が廊下の方に顎で合図しながら言った。 目を向けるとそこには美咲の大好きな人が立っていた。   「西岡先輩ッ!」   西岡は美咲と目が合うとフッと笑った。つられて美咲も笑顔になる。   「王子様を待たせちゃ駄目でしょーが」   そぅ言って怜香は美咲の手に鞄を持たせ、背中をトンッと押した。   「バイバイ!怜香!」   美咲は後ろを振り返り親友に別れを告げる。 怜香は微笑みながら手を振った。
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