3/4
前へ
/25ページ
次へ
着いたのは彼女の住んでいるマンションの一室。 彼女は一人暮らしだったらしい。 部屋の内装はとても女の子チックだった。ピンクのカーテン、真っ白のベッド、薄ピンクのソファー。部屋はきれいに片付いていた。 「どうぞ」 俺を温かい毛布の上に乗せると、冷たいミルクを差し出してくれた。俺は必死にそれを舐めだす。 (あぁ、さくらさんってやっぱ良い・・・。性格も良すぎだし) ミルクを舐めている俺の頭を撫でながら彼女は口を開いた。 「君もつらかったでしょ・・・?お腹すいて苦しかっただろうね。でも…、私も・・・、辛い事、あったの」 俺は舐めるのを止めると、彼女の顔を見上げた。彼女の瞳には薄く涙が溜まっているように見えた。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加